BCP-有事に備える以上に必要な意識の改革

    英語翻訳・通訳は副業となり、BCP策定サポートを本業としております。

    なぜあまり認知度の高くないBCPにフォーカスするか。それはこれからの時代、会社は賃金を払うだけではなく、従業員の家族や私生活までもを尊重して働いて”もらう”、という認識が必要になるからです。

    BCPと関係あるの?という声が聞こえてきそうですね。それは読み進めていただくとわかります!

    これからの会社の在り方

    これまでは、会社が従業員を雇って働かせる、従業員は会社のためにある程度の私生活を犠牲にして働く、というのが一般的だったと思います。

    しかし、これからの時代個々人が自分のスキルを発揮して働く時代となってきました。そんな中、会社に属して働く意味が薄れていきます。

    ではどのようにして会社側は優秀な人材を確保するか。それはその人の能力に見合ったお給料を支払うことと、従業員の声を大切にすることです。そうすることにより従業員は会社へ属しているという感覚を得られますし、それにより会社に対する忠誠心が芽生えてきます。

    従業員が持っている「売り上げ向上」や「業務効率化」に関する意見

    従業員は現場で働いており、「こうすればもっと効率的に業務を進めることができるのに」とか「これがあれば仕事がもっと楽になるのに」など不満とも呼べる意見をたくさん持っていると思います。

    それらを吸収して業務改善できれば、効率化や売り上げ上昇が期待できると思われます。

    しかし、こんな”不満の声”を会社上層部の方々が聞く機会はあるでしょうか。一緒にランチなどをしてざっくばらんに話せる関係性があるのであれば別ですが、なかなか本心を話し合うのは難しいと思います。

    従業員の声を聞く機会としてのBCP

    そこでBCP策定の準備段階で必要になる、業務の洗い出しの中で深堀して話し合うことでこのような従業員の声を聞くことができるのではないでしょうか。

    「人手が足りず残業がきつい」とか「ここはミスが発生しやすいのでシステム化できないか」など様々な意見を出し合い、会社側と従業員が一体になって会社全体の成長を助けるとても良い機会となります。

    また従業員が売り上げやミス削減に直接関わっているんだという意識を高めることもできます。そうすることにより、ただ日々の業務をこなすだけでなく、会社の重要な一員として意識を高め、会社への所属感、忠誠心がでてくるのではないでしょうか。

    現場の貴重な声を吸い上げるワークショップ

    私は、BCP策定の際、少なくとも係長レベルの方に参加していただき、現場の声を吸い上げることも進めていきたいと思います。

    前職では部門別に実際に業務に関わる方を対象にトータル・リスク・プロファイリングというワークショップを実施してきました。各部門の掲げる目標達成を妨げる要因、いわゆるリスクを洗い出すことを目的としますが、実際には業務に関わる方々のリスク感応度を向上させるワークショップでもあります。

    ミスしがちなプロセスには重大なリスクが潜んでいる可能性があり、それらを従業員一人一人が認識することで、業務改善やリスク回避につながります。

    日々のもやもやを話し合い、それらの意見を上層部に報告し、検討してもらう。検討結果については再度、従業員の方に報告することで、もやもやの解消にもなりますし、実際にリスク管理にもつながります。

    今後はこのようなワークショップを開催することも検討しておりますが、まずは会社の意識改革の第一歩としてBCP策定をおすすめします。従業員を大切にする会社がこれから生き残っていく世の中になりますので、今から意識改革をお願いしたいです。