痛い目を見た父-個人事業でもリスク管理は重要
私の父は個人事業を営んでおりました。
ほぼ父がすべてをこなしていましたが、帳簿は母が付けていました。
その状況で起こった事件です。
事件発生・・・
父は事業を特に法人化することなく個人事業として40年程営んでおりました。
年収も結構あったにも関わらず、税理士も雇っていませんでした。
(なぜか保険だけはたくさん入っていたのを覚えています。恐らく、心配性な父は、保険セールスの人に言われたまま入ったのではないかと想像します。)
そして、ある日、税務署の方がやってきて、脱税を指摘されたのです。
恐らく追徴金だと思いますが、その額は300万円!
母のずさんな帳簿付けにより、納税額がきちんと計算されておらず、税務署から指摘を受けたのです。
家庭崩壊にもなり得る
その後、事業にはあまり影響はなかったようですが、家庭内は崩壊状態でした。
父はその追徴金を払えるか心配だったのでしょう。お酒の量が増えていき、母を責める日々でした。
簿記などを習ったことがない母に、帳簿付けを一切任せるということ自体、今思えば相当リスクの高い状況だったと思います。
責任は母だけではなく、母だけに任せた父にもあると私は考えます。
結局当時は離婚まではしませんでしたが、とにかく毎日夫婦喧嘩をしていたことを覚えています。
リスクを考える
事業内容に関わらず、特に税金や会計関連、契約関連においては、一度事件が起こってしまうと事業に大打撃を与えるという意味では、個人事業と言えどもリスクは相当高いと改めて認識させられます。
個人事業主は私もそうですが、どうやって収入を得るかという部分だけに焦点をあてがちになってしまいますが、毎日の帳簿付け、契約書の管理、自分の健康、家族に対してもリスクを負っていることを頭の隅で常に覚えておかなければなりません。
最近ではインボイス制度など、規制やルールが変更することも多々あります。
専門的なものはプロに任せる、それがリスク管理
私はそういう事件を目の当たりにした経験があるため、特に税務関連と契約関連ではプロにお任せします。
すべて自分ではできないです。特にこのような専門知識と時代に沿った対応が必要となる分野においては、毎月結構な費用が発生するとしてもお任せします。
事件の話に戻りますが、父はその事件以後、税理士を雇いました。
結局、税理士を雇ったことでかなりの税金を節約することができたようです。
保険の見直しもしたようで、そちらも節約につながりました。
リスク管理の重要性
リスク管理は大企業だけのものと思われがちです。
そしてリスク管理というと、手法や特定の知識が必要とも思われる方が多いのではないでしょうか。
しかしそれは違います。
リスク管理は一般的な常識を用いれば、誰もができるものであり、誰もが意識すべきものなのです。
一度事業を取り巻く環境を振り返ってみて、事業に損害を与えそうなものや状況、本当に必要なこと、不要なものの整理をしてみませんか。
それがリスク管理なのです。