委託先管理とBCP
委託先(又は購買先、取引業者など。ここでは委託先と言います。)の管理と自社のBCPは、一見関係なさそうに思えますが、実は密接に関わっています。
委託先管理と自社のBCPの関係を解説します。
委託先管理とは
まず委託先を選定する際、委託する業務や購入する商品の値段や品質、倒産する恐れがないか、実際の稼働しているロケーションや担当者とのコミュニケーションなどを事前に検証すると思います。その中に委託先のBCPの有無も確認してください。
災害時のBCPを策定しているかどうか、データを扱う業者であればデータを保存するサーバが強固な施設で管理されているかどうか、又はロケーション、できればリカバリーサイトがありデータが定期的に冗長化されているかどうかまで確認した方が安心です。
データ管理に関しては情報セキュリティ管理体制についても確認してください。
そして、これらのチェックは定期的、可能であれば年に一度行います。サーバが置かれている施設を視察できればもっと良いです。
委託先のBCPを自社BCPに組み込む
大規模な災害時、委託先の納品なしに自社BCPだけでは業務を遂行できない場合があります。
その時に委託先管理で確認したBCPが重要になります。
委託先の担当者、連絡先、災害時のサービスレベル等を加味し、自社での業務を開始するのです。
委託先管理の責任者
委託先管理は実際に取引している担当部署が行うのが良いですが、管理体制は会社レベルで行うのが良いと思います。
委託先管理のフレームワークを作っておき、洗い出した委託先すべてを、定期的にチェックします。
もちろん委託先によっては、フレームワークにうまく収まらない項目も出てくると思いますが、そこは委託先管理の本質から大丈夫かどうか判断してください。
委託先として管理体制が不十分な時は?
データ管理や情報セキュリティ管理体制が不十分である、そもそもBCPがないなど、委託先の管理体制が自社の業務遂行に問題を及ぼす可能性がある場合、改善の申し入れを行います。言うのは簡単ですが、実際にお願いするとなると厳しいかもしれませんね。
でも、次の瞬間、何が起こるかわからない時代で、本来はすべての企業がBCPや情報セキュリティ管理体制、データ管理体制をきちんと整えておくべきと認識し、委託先と認識共有を行ってほしいです。
BCPの重要性
自社周辺のみでビジネスを展開している場合は別ですが、クライアントが遠方や海外の会社である場合、自社周辺で起こった災害が原因で納品が遅延することはあまり許されません。せめて納品延期してほしい旨依頼し、BCPを発動できる会社が、信頼できる取引先と言えるのではないでしょうか。
災害が起こってからパッチワークであれもこれもとなると、迅速な事業再開は難しいでしょう。
そのためにBCPがあるのです。迅速な業務再開のために委託先におけるBCP有無のチェックも重要と言えます。