リスク管理‐風評リスク~Due Diligence
企業が抱えるリスクは多岐にわたります。財務(倒産)リスク、情報セキュリティ関連リスク、人材関連リスク、購買先(取引)関連リスク、災害・パンデミックなどのリスクなど業種や企業規模等でさまざまです。その中でどの業種にも共通するリスクの一つが風評リスクです。
先日FTX関連でのテイラースイフトさんの記事を目にしました。FTXは彼女にFTXの宣伝を依頼していたそうですが、多額のオファーにもかかわらず、スイフトさんはそのオファーを断ったそうです。
真相はわからないようですが、どうもDue Diligence(デューデリジェンス)に関係があるとのことでした。この件で少なくとも私のスイフトさんに対する評価は上がりました。多額のオファーを断り、機会損益は出したものの、結果的に風評リスクを避けただけでなく、彼女自身の世間の評価を高めたのです。
デューデリジェンスとは
auカブコム証券株式会社のウェブサイトには以下のように記されております。
「Due(当然の、正当な)とDiligence(勤勉、精励、努力)を組み合わせた言葉で、M&Aの意思決定の際に対象会社等の実態や問題点把握するため各部門の専門家が行う調査のことです。専門家(公認会計士、弁護士等)が経営状況、財務状況、法的事項等を様々な角度から調査し、適正評価します。」
一般企業におけるデューデリジェンス
中小企業の皆さんは受注した業務や外注先を選ぶことが難しい状況にあるかもしれませんが、長期的な取引を検討する際には、ぜひデューデリジェンスという言葉を思い出していただきたいです。
受注した業務を発注した業者が何かしらの犯罪に関わっているかもしれないとしたら、その業務は引き受けますか、または外注しますか。もし、発注業者が倒産の危機下にいるとしたら、取引を承諾しますか。
風評リスク管理としてのデューデリジェンス
企業にとっての最大のリスクは倒産です。倒産に至る原因はほとんどの場合、財政悪化です。
財政悪化に陥る要因は様々ですが、風評リスクも大きなリスクの一つとなりえます。
取引業者と取引を開始する際、倒産リスクはないのか、事業内容や一般公開されているのであれば財務諸表の確認、BCPも含めた社内の管理体制(規程などがきちんとそろっているかなど)都度確認をすることで風評リスクを軽減することができます。
風評リスクは外部からの影響を受けることが多いリスクとなり、管理がとても難しいと思います。しかし、自社でできることはきっちりやる。そうできる体制を整えることで、風評リスクにさらされることを軽減し、長い間事業を営んでいくことができる企業であっていただきたいです。