事業拡大時のリスク管理の重要性

    リスク管理という言葉は、一般的にはよく聞くことではないかもしれません。

    しかし、リスク管理はどの場面においても重要なものです。

    昨今急速に発展しているAIにおいても、このリスク管理が遅れていることが指摘され始めています。

    ではリスク管理部のような専属の部が無い企業にとって、どのようにリスク管理を行って行けば良いのでしょう。

    事業拡大時に焦点を当てて見ていきましょう。

    リスク管理の対象

    従業員
    商品・サービス
    システム
    規程等の管理体制

    企業規模拡大の際に気を付けたいこと

    企業が規模の拡大を狙って予算設定するのは当然のことです。

    ただし、予算や実益などのモニタリングも重要ですが、それにより他のリスクが高まっていないか確認する必要があることを認識していただきたいと思います。

    そのために、例えば「Key Risk Index」のようなさまざまなリスクを想定し、指標を決め、モニタリングすることをお勧めします。

    従業員の残業時間
    従業員退職率
    システムのセキュリティ対策(サーバーなどのパッチングなどがタイムリーに行われているか等)
    システム障害の件数
    苦情件数や早期解約件数

    これらの指標は一覧表にし、条件付き書式などを使用して問題ない値であれば「緑」、ややリスクが高まっているのであれば「黄」、何かしらの対策が必要な状況になったら「赤」という風に示して、一目でリスクの状況が確認できるようにします。

    毎月、少なくとも四半期に一度の頻度でモニタリングするのが良いと思います。

    その他リスクとなりそうな外部要因の洗い出しや委員会規程、人事・労務関連規程、システム関連規程、リスク管理関連規程等、オフィス環境や在宅関連の規程など社内管理体制を随時整えていくことも重要になります。

    「推進と抑制」が重要

    勢いに乗っている時には、ぜひ「抑制」という意味でリスクモニタリング及び管理を意識していただきたいです。

    数字だけを見て拡大している企業には、疲弊している従業員がいて、求められる品質の成果物を期日までに納品できないリスクが伴うかもしれない。

    また、自社商品やサービスの品質が求められるレベルで納品できず、苦情や早期解約が発生するリスク。

    システムが実は追いついておらず、システム障害を起こすリスク。またはデータ管理が適宜なされないリスク。

    情報セキュリティ体制が十分でなく、情報漏洩などの事故が起こるリスク。

    今一度、それらリスクの洗い出しを行い、指標を設け、定期的なモニタリングを行いましょう。

    そうすることでさらなる規模拡大が期待できるのです。